ゴルフを楽しむ多くの人々にとって、スイングの一貫性と精度はゲームの鍵となります。しかし、そのスイング動作が非効率的である場合、腰痛や肩痛などの慢性的な関節痛を引き起こす原因となることがあります。これらの痛みは、手技や電気治療のみでは一時的な緩和にとどまり、根本的な解決には至らないことが多いものです。
治療の一環として、私は患者様にキネマティックシークエンスの理解と改善を提案することがあります。もちろんスイングのレッスンではありません。特にスイングの各部分が適切なタイミングで動くことの重要性を強調しています。練習場に行ったらあまり意識をしないで欲しいのですが、どうして痛くなるのか?は知って欲しいのです。しかし、このプロセスにスイング指導の「クラブポジショニング」が加わると、ことは複雑になります。トップの位置やフォロースルーの具体的な位置など、細かな動作を指示することも加わると、患者様にとって一層の挑戦となります。
ポジショニングとキネマティックシークエンスの両方を同時に整えることは困難ですが、これらを一体化することで、動作の効率性が向上し、痛みの原因を根本から解決することが可能になります。この記事では、キネマティックシークエンスの重要性とポジショニングを含めた具体的な改善方法について詳しく解説し、治療における実践的なアプローチをご紹介します。
実は…どうでもいいこと
実の所、私自身はトップの位置はここ、フォローはここで3秒静止みたいなことは、どうでもいいことと考えています(というように教わりとても腑に落ちたのです)。これらが人により異なっていて良い点だと考えているためです。そこを無理に型に嵌めようとするので、体を壊す原因になっているのではないか?という点を、20年考え続けてきたなかで、その答えを導いてくれたプロがおりました。
理想のスイング主体か、今の体主体か
ゴルフスイングは、今の体力が反映されます。持久力やパワーだけを「体力」とイメージされる人も少なくないと思いますが、体力いうのは筋力だけではなく柔軟性もその一つに含まれます。傷病の詳細は割愛しますが、特に男性は40代を過ぎると、胴体の側面や肩後面にある回旋筋が周囲の筋力低下とともに、硬化する例がありますが、この硬化が雑誌やTVで拝見するプロのスイングを遠のけている一つの要因かと考えています。理想に近づけるために体力の改善を行うか、それとも今の体力の中で楽しむのか。ここが大きな選択になってくると考えています。
しかしながら、多くのゴルファーは、理想に近づきたい。格好いいスイングを作りたい。身体に鞭を打つわけです。そして体の動きにフォーカスを当て、さらに位置=ポジショニングを気にされている方が非常に多いので、関節に負荷をかけてくることも多々出てくるのです。
持論はさておき、どうでもいいとは私の考え方であり、治療院では患者様がやりたいスイング、または指導を受けている方の方向性にできる限りそうようにに策を一緒に考えたいと思っています。どこまで許容できるのかそんなことも知っていただきながら治療を勧められたら一番かと考えています。
という意味で下記に記載するキネマティックシークエンスとは「理想」として捉えています。