自主自立の精神・自由と責任のバランスを学ぶ vol.308

 当時、「自主自立」「自由」という言葉の裏にある責任を意識して過ごしていたかといえば、そうではありませんでした。16歳であれば、「自由」という言葉に意識が向くものです。

先日、EXILEのHIROさんがテレビ番組に出演しているのを見て、高校時代を思い出しました。母校である金沢高校は、「自主自立の精神を養い、創造性豊かな調和のとれた人間を育成する」という教育方針を掲げていました。担当教諭のいない日は自習ではなく、自由時間となります(今はわかりません…)。朝学校に行ったら、午後の授業が休校、中には朝から全部授業がなかったということもあります。家に帰る者もいれば、いかにも高校生の顔は厳しいが、やや老け顔は大学生のふりをして横浜市大にご飯を食べに行く者もいました(笑)。八景駅前の喫茶店に行く者、海に行き日焼けをする者、素潜りで渡り蟹を捕まえる者、図書館の自習室で勉強する者。3年生を最優先にした自習室は常に満席でした。授業のある時間になると自然と教室に集まる。そんな学校だったので、自由なのです。ただ、この自由を履き違えてしまったのは何を隠そう私です。

関東大会にも出場するバレーボール部は、校内の部活動の中で優秀な成績をあげていました。「部活動は一生懸命だね、勉強もその調子で」と、校長先生に呼ばれることも何度かありました。学校に行く理由は部活動、と決めていたのは私だけ⁉︎、他の部員はしっかり勉強もしていました。事実、後輩や先輩には医師・歯科医師もいます。ところが自身は自由を満喫しすぎたのです…。

さて、この方針は、個々の生徒が自ら考え、自ら行動する力を育むことを重視しており、将来にわたって社会で活躍できる人材を輩出することを目指していたのかもしれません。公立高校でありながら、多くの有名人を輩出していることでも知られています。卒業生には、さまざまな分野で活躍する人物がいます。例えば、芸能界ではEXILEのHIROさん。HIROさんは、高校在学中からダンスに打ち込み、卒業後もその情熱を持ち続けてEXILEのリーダーとして成功を収めました。「何歳になっても夢を持っていい。どんな年齢でも夢を持っていい」という言葉は、多くの人々に勇気と希望を与えています。また、他の卒業生には、学術、スポーツ、文化、ビジネスなどの分野でも著名な人物が数多く存在し、こうした成功者たちは、在学中に培った自主自立の精神と創造性がいかされているのでしょうか。

このように、金沢高校は、教育方針に基づき、生徒一人ひとりが持つポテンシャルを最大限に引き出す環境を提供し、多様な分野でリーダーシップを発揮する人材を輩出しています。

自由であることと責任の共存

自由と責任の共存は、健全で持続可能な社会を築くために欠かせない要素です。自由は個人の自己実現を支えるものであり、責任はその自由が他者や社会全体に与える影響を考慮するためのものです。以下に、自由と責任の共存について詳しく説明します。

自由の重要性

自由は、個人が自分自身の選択を行い、自分の人生をコントロールする権利を持つことを意味します。自由な環境では、個人は自分の興味や才能を追求し、創造性を発揮することができます。自由はまた、個人の成長や発展を促し、社会全体の進歩にも寄与します。

責任の重要性

責任は、個人が自分の行動や選択が他者や社会に与える影響を認識し、その結果に対して適切に対処することを意味します。責任を持つことで、個人は他者への配慮や社会的なルールや規範を守ることができ、調和の取れた社会を維持することができます。

自由と責任のバランス

自由と責任は、しばしば対立するものと見なされることがありますが、実際には相互に補完し合う関係にあります。自由が無制限に行使されると、他者の自由を侵害する可能性があります。そのため、個人の自由を尊重しつつ、他者の権利や社会全体の利益を守るための責任が求められます。

自由と責任のはざまで - 中学から高校への転機

中学校時代、私たちは厳格な管理の中で生活していました。規則正しい校則や先生の指導のもと、毎日が決められたルールに従って進んでいきました。この管理された環境は、安心感をもたらす一方で、自分自身の選択や判断をする機会が限られていました。

しかし、高校に進学すると、一転して自由が増えました。自由な校風の中で、自分の時間をどう使うか、自分がどのような学びを深めるか、そしてどのような友人と付き合うか、すべてが自分の選択に委ねられました。この変化は、まるで解放されたような感覚をもたらしました。

自由の喜びと責任の重み

高校生活の初めは、自由の喜びに浸っていました。自分の興味に基づいて科目を選び、好きなクラブ活動に参加し、友人たちと自由に過ごす時間は、まさに青春の輝きそのものでした。しかし、その一方で、徐々に自由には責任が伴うことを実感するようになりました。

例えば、勉強の選択科目は自分の将来に直結するものであり、選び間違えると進路に影響を与えることがあります。また、自由な時間の使い方も、目の前の楽しさだけにとらわれていると、後で大きなツケが回ってくることもあります。自由な校風の中で、自己管理能力や時間管理能力が求められるようになりました。

自己選択と責任の重要性

このような経験を通じて、自由と責任の重要性を学びました。自由に何かを選択する権利を持つことは素晴らしいことですが、その選択には必ず責任が伴います。自分の選択が自分の将来や周囲の人々に与える影響を考えることが、真の自由を享受するために必要な姿勢です。

高校生活で学んだことは、自分自身の人生を自分で切り開くための基盤となりました。自由と責任のバランスを取りながら、自分の選択に対して責任を持つことが、成長と成功への鍵であることを、恥ずかしながら卒業して何年も経過したところで気付かされました。

このように、金沢高校での経験は、私にとってかけがえのない学びの場であり、今でもその教え(校風である自主自立)を大切にしています。卒業生たちの成功も、この自主自立の精神と自由と責任の共存があったからこそと信じています。 

著名な卒業生 

  1. HIRO (EXILE) – ダンサー、プロデューサー。
  2. 漫画太郎 – 漫画家。
  3. 松浦勝人 – エイベックス・グループ・ホールディングスの創業者、会長。
  4. 石川俊介 – 元聖飢魔IIのベーシスト。
  5. 青野史寛 – ソフトバンク専務執行役員、孫正義育英財団の業務執行理事。
  6. 大井昌和 – 漫画家。
  7. 川村元気 – 作家、映画プロデューサー。
  8. 井上高志 – LIFULLの創業者、社長。
  9. 三代目柳家小満ん – 落語家。
  10. クボタマサヒコ – 元BEAT CRUSADERSのミュージシャン。
  11. DJ JIN – ミュージシャン。
  12. 大渡亮 – Do As Infinityのギタリスト。
  13. 黒塚まや – アナウンサー。
  14. 相川鐵崖 – 書家。
  15. 山下仁 – 大阪大学教授、元日本独文学会理事。
  16. 初代三笑亭夢丸 – 落語家。
  17. 古今亭菊龍 – 落語家。
  18. 小出深冬 – ラグビー選手。
  19. ういち – パチスロライター。
  20. 飛田悠成 – プロ野球選手。