ジョイントバイジョイント理論が解き明かすー右肘内側痛の原因と対策ー vol.361

肘内側を捻挫

数年ぶりにゴルフ仲間が来院されました。彼は週3回ラウンドされているアマチュアゴルファーです。ダウンスイングからインパクト前に右肘の内側に強い痛みが発生したことから連絡が入りました。内容そのものは捻挫という怪我でした。

右肩甲骨周りの張り感

痛みの本体は怪我によるものですが、ダフリもインパクトもしていない状態でなぜ痛めてしまうのか。運動中の動作による怪我というのは、実はこうした例が多いものです。例えばゴルフにおけるダウンスイングは、正確で力強いショットを放つために非常に重要なフェーズですが、時にはその動作が体に負担をかけ、痛みを引き起こすことがあります。特に右肘の内側の痛みは、多くのゴルファーに共通する悩みです。

ジョイントバイジョイント理論に基づく分析

ジョイントバイジョイント理論では、体の各関節がそれぞれ異なる役割を持ち、その役割に応じた動きが求められるとされています。たとえば、足首や股関節は可動性が求められる一方、膝や腰は安定性が求められます。ゴルフスイングの中で、この理論は特に肘や肩、手首の動きに重要な影響を与えます。

肩(可動性を求める場所)+肘(安定性を求める場所)+手首(可動性を求める場所)
上記のようなコンディショニングが整っていれば理想であり、それぞれの役割通りに動いてくれるわけですが、特に今回の友人ゴルファーは私と同年代でもあり、肩関節の回旋可動域がかなり低下(年齢的には多い)していて、ここ数ヶ月ずっとコリ感や違和感を感じていたといいます。本来動いて欲しい場所の可動性が落ちていた部分を安定していたい場所(関節)が動かされてしまったということです。下記に具体的に説明します。

右肘内側の痛みの原因

右肘内側の痛みは、肘の安定性を保つための筋肉や靭帯に過度なストレスがかかることで発生することが多いです。ゴルフのダウンスイングでは、右肘がスムーズに曲がりながらも、過度に内側にねじれることなく適切に動作することが求められます。しかし、肩や手首の可動性が不足している場合、右肘に負担が集中しやすくなります。これにより、肘の内側に炎症が起こりやすくなるのです。

具体的なケーススタディ

友人ゴルファーが右肘内側の痛みを訴えたとき、その原因を探るために動作チェックを行いました。結果、肩関節の可動性が低下しており、その影響でダウンスイング時に肘が過度に内側にねじれているだろうと予測することができます。また、手首の動き(背屈)が制限されていたため、スイング全体で肘にかかる負担が増加していたのでしょう。

このゴルファーには、怪我の処置以外に、肩や手首の可動性を改善するエクササイズを取り入れることを提案しました。また、スイングのメカニクスを修正することで、肘にかかる負担を軽減し、痛みを予防するためのトレーニングを行う予定です。

結論

ジョイントバイジョイント理論に基づくアプローチは、痛みの原因を根本から解決するための有効な手段です。右肘の内側の痛みを防ぐためには、肩や手首の可動性を向上させ、スイングの動作全体を見直すことが重要です。このような包括的なケアが、ゴルファーのパフォーマンスを向上させるだけでなく、長期的な健康維持にもつながります。