松山英樹選手の腰痛に学ぶ—ゴルフスイングと背筋の関係をJOINT by JOINT理論で解説 vol.356

今週は、米男子プロゴルフツアープレーオフシリーズ最終戦 ツアー選手権(29日開幕、米ジョージア州イーストレイクGC=7490ヤード、パー71)
初の年間王者をかけた戦いに挑む松山英樹(LEXUS)選手。前週は腰痛で棄権されたようですが、回復され目標を達成できるように祈るばかりです。
さて今回はゴルファーと腰痛について、JOINT by JOINT理論を用いて解説させて頂こうと思います。ちなみに、松山選手の腰痛の原因がなんであるか、その詳細は当然公開されていないので、今回は一般的なゴルフと腰痛の関係について解説します。読み間違えぬようお願いいたします。さて、松山英樹選手が腰痛を抱えながらも、ゴルフスイングに臨む姿勢から、ゴルフと身体の関係について深く考えさせられます。特に、ゴルフスイングがどのように腰や背筋に影響を与えるのかを理解するために、ジョイントバイジョイント理論は非常に有効な視点を提供します。

https://www.golfnetwork.co.jp/news/detail/36124

ゴルフスイングと腰痛の関係性

ジョイントバイジョイント理論では、体の各関節が安定性と可動性を適切に維持することが重要であるとされています。腰椎は安定性が求められる関節ですが、股関節や胸椎といった周囲の関節が可動性を失うと、腰椎に過度な可動性が求められ、これが腰痛の原因となります。松山選手のケースにおいても、股関節や胸椎の可動性が低下していると、スイング中に腰椎に負担がかかりやすくなると考えられます。

背筋への負担とゴルフスイング

また、松山選手の力強いスイングが背筋に与える影響も見逃せません。背筋はスイングの安定性とパワーを生み出す重要な役割を果たしますが、過度な負荷がかかると筋肉の疲労や損傷を引き起こすリスクが高まります。特に、スイングの切り返し時に背筋が強い張力を受けることで、筋肉に過度の緊張が生じ、痛みや怪我の原因となることがあります。

対策と今後のアプローチ

松山選手が今後も高いパフォーマンスを維持するためには、背筋や腰椎にかかる負担を軽減するトレーニングやケアが必要です。背筋の強化と同時に柔軟性を維持し、股関節や胸椎の可動性を改善することで、スイング中の腰椎への負担を軽減することができます。

松山選手のようにトップレベルで競技を続けるためには、スイングに必要な可動性と安定性のバランスを取ることが重要です。ジョイントバイジョイント理論に基づいたアプローチは、ゴルフスイングと腰痛、そして背筋への負担を理解し、適切な対策を講じるための有効な方法であることが分かります。

 

松山英樹選手の腰痛をジョイントバイジョイント理論(Joint by Joint Approach)で説明することは、ゴルフスイング中の体の動きと関節の役割を理解するために、アマチュアゴルファーにとっても非常に有効です。この理論は、各関節が特定の機能(安定性または可動性)を持つべきであり、それが破綻すると他の関節に過度な負担がかかるという考え方に基づいています。

ジョイントバイジョイント理論の基本概念

ジョイントバイジョイント理論では、体の各関節を次のように分類します

  1. 足首 (Ankle): 可動性(Mobility)
  2. 膝 (Knee): 安定性(Stability)
  3. 股関節 (Hip): 可動性
  4. 腰椎 (Lumbar spine): 安定性
  5. 胸椎 (Thoracic spine): 可動性
  6. 肩甲骨 (Scapula): 安定性
  7. 肩関節 (Glenohumeral joint): 可動性

松山英樹選手の腰痛に関連する解釈

ゴルフスイング中、特に腰椎(腰部)は安定性が求められる関節です。しかし、股関節や胸椎といった周囲の関節が可動性を失うと、腰椎に本来必要とされる以上の可動性が求められることがあります。この過剰な可動性は、腰椎の安定性を損ない、腰痛を引き起こす原因となります。

具体的なケース

股関節の可動性低下

股関節の可動性が低下すると、スイング中に腰椎が過度に回旋しようとするため、腰部に過剰な負荷がかかります。松山選手が長期間のプレーやトレーニングにより股関節の可動性が低下していた場合、腰痛の原因となることがあります。

胸椎の可動性低下

胸椎の可動性が低下すると、上半身の回旋が制限され、代償的に腰椎がより多くの回旋を強いられることになります。この場合も腰椎に不必要な動きが発生し、腰痛を引き起こすリスクが高まります。背中の張りも同様です。

足首や肩関節の可動性問題

足首や肩関節の可動性が低下していると、全体的な動作パターンが崩れ、それが連鎖的に腰椎への負担増加につながる可能性があります。

対策

ジョイントバイジョイント理論に基づくと、松山選手のような腰痛に対処するためには、まず股関節や胸椎の可動性を改善することが重要です。また、足首や肩関節の可動性も見直す必要があります。これにより、腰椎に過剰な可動性を求める状況を避け、本来の安定性を保つことができます。

この理論に基づいたアプローチは、腰椎にかかる負担を軽減し、痛みの再発を防ぐ効果的な手段となるでしょう。