圧倒的な音の迫力を感じた日本オープン初日観戦記 vol.408

静寂な朝の中、ゴルフコースにはまだわずかな鳥のさえずりと、微かな風の音だけが響いていた。日本オープン初日のスタート、観客たちは息を潜め、選手たちの一挙一動を見守っていた。そんな静かな空間に、突如として重く鈍い打球音が響き渡る。クラブが振り下ろされた瞬間、ボールはまるで空気を含むかのように潰れ、その音は耳を通して心臓にまで響いた。

男子プロゴルフならではの「音」。それは、ただのショットではなく、選手の全身から放たれる圧倒的なパワーの象徴だ。女子ゴルフではあまり耳にしないこの重低音は、コース全体を包み込み、まるで観客の背筋をピンと伸ばすかのような衝撃を与える。ボールがクラブから放たれるその瞬間、観客たちもまた、心を鷲掴みにされ、息を呑む。

特に印象に残ったのは、ドライバーショットだった。ティーグラウンドに立ち、力強くクラブを振り下ろすと、空気を切り裂くような音が響き、その余韻が長く耳に残る。目にも止まらぬ速さで放たれたボールは、一直線に日本オープン独特の狭いフェアウェイを切り進んでいった。この瞬間の音とその光景は、まさに男子プロの世界でしか体感できないものだ。

今回の試合では、無音で写真が撮れるアプリが推奨されており、観客が選手にサインを求める光景もよく見られた。選手たちが積極的にサインに応じているのを見て、ギャラリーとの距離の近さや選手のサービス精神に感動した瞬間があった。

特に私が治療院でサポートしている選手が、サインを求められた際に、ギャラリーが持参したペンが使えないという事態に遭遇した。しかし、その選手はすぐに「サインペンありますよ。」とゴルフバッグから自分のペンを取り出し、笑顔でサインに応じていた。このような小さな気配りこそが、プロフェッショナルとしてのホスピタリティを感じさせたのだ。ギャラリーへの気配りやサービス精神が、選手たちの魅力の一部でもあると感じた。

ゴルフの静寂の中に響き渡る「音」、そして選手たちのプロフェッショナリズム。この両方が相まって、初日の観戦は心に深く刻まれた。この音と心遣いを体感できることが、ゴルフ観戦の醍醐味であると改めて感じた。

そして、この体験を通じて、私は男子ゴルフツアーのさらなる発展に何か貢献できないかと強く思うようになった。観戦する人々がもっとゴルフの魅力に触れ、選手たちの素晴らしさを体感できる場を作るために、私自身も何か役立てることがあれば、力を尽くしたいと感じた。選手たちが競技に集中できる環境を支え、観客との繋がりをより深めることが、男子ゴルフの未来を明るく照らす一助になると信じている。