MLB 山本由伸投手の選択
アスリートが選択するトレーニング法は、決して一様ではありません。自重を用いた身体操作を中心にしたトレーニングを選ぶ者もいれば、ウエイトトレーニングを主体とする者もいます。例えば、MLBの山本由伸投手が実践しているように、自重でのトレーニングを重視するスタイルもあれば、ウエイトを用いた筋力強化を中心に行うスタイルもあります。どちらも「正解」であり、個々の身体や競技に適した方法を見つけ出すことが、トレーニング効果を最大限に引き出すための鍵です。
専属シェフの時代
そして、どのトレーニング方法を選ぶにせよ、それを支える「栄養管理」が重要であることに変わりはありません。食事はトレーニングの効果を確実に支え、筋肉の回復や体力維持に直結します。近年、アスリートが外食を控え、専属シェフを雇い、食事管理に細心の注意を払う動きが見られるのも、その背景には栄養がアスリートのパフォーマンスに多大な影響を及ぼすという事実があるからです。食事管理が身体のみならず、メンタル面や全体のパフォーマンスに影響を与えることも研究で明らかになっており、食事を見直すことはアスリートの長期的な成功において不可欠と言えるでしょう。
トレーナーとは何か
一方で、トレーニングと食事管理を支えるトレーナー選びのプロセスもまた重要です。私は選手のトレーナー選出に関わることがあり、その際にはまず履歴書で資格と業務経験を確認しています。残念ながら、目に見える実績がない限り、候補者の実力を判断するのは難しいのが現実です。しかし、面接に進めば、雰囲気や目の輝きなど、より多面的な判断が可能になります。それでも、まずは資格や経験が出発点となることは多いです。
実際、チームでトレーナー業務を担うとなると、食事の準備や日常の生活サポートなど、トレーニングとは異なる業務も求められる場合があります。理想的には、すべての業務を専門スタッフが担当できることが望ましいですが、現実には役割を兼務することが多々あります。7、8年ほど前に、トレーナー選出の際に、主なトレーニング以外にも料理ができるという点が評価され、採用に至ったケースがありました。これは、アスリートが食生活を身体づくりの重要な要素と考える傾向とも一致しており、トレーナー選びの新たな基準として注目すべき点と感じています。
トレーニング、栄養管理、日常生活のサポートという多面的な視点でトレーナーを選ぶことは、アスリートが長期的に成果を出し続けるために不可欠です。知識や経験だけではなく、柔軟性を持ち、多角的なスキルでアスリートを支える力が、現代の競技環境においてますます重要になっています。
ユニバーサルトレーナー
以前弊社では、医療資格+トレーニング資格を所持することをハイブリットトレーナーと呼んでいました。2008年から2024年に勤務しているスタッフは、柔道清風市でもあり、またハイブリットトレーナーでもあります。このハイブリットは、異なるスキルを組み合わせ、複合的なサポートができるという意味を持たせて、治療院では柔道整復師として、スポーツ現場では柔道整復師+トレーナーとして活動ができます。また治療院でも運動処方するケースもあるので、その際はトレーニング資格で学んだ知識が活かされるということです。
時代が変わりましたので、今は”ユニバーサル”は選手を多方面から支える普遍的なサポート力を持つ人材という意味を込めています。実際に料理教室に通ったスタッフもいました。ケアやトレーニングのみならず、生活や栄養面のサポートなど、あらゆる角度からアスリートの成功に貢献する存在としての印象を与える名称です。これからそういう時代でしょう。