トレーニング指導するものが、過剰な動作指導を行ったり、動作の一つ一つを細かに指導するケースはよくあります。お客様サイドもそのような指導を望む場合がありますが、果たしてこれでいいのだろうか。
トレーニング指導する際、私がコメントするのは、「こんな感じで」とざっくりとした表現にしている。
また怪我をしないためのアドバイスは必要だろう。
例えば、ボックスジャンプをする際に、「こう飛ぶべきだとはいわない」という方針であるということ。人ぞれぞれの「飛ぶ」があっていい。
歩き方、飛び方、この全てが個々に違いがあり、その特徴は限りなく残していくべきだという考えからでした。
ゴルフレッスンにおいても、似たようなことがあるでしょう。何年も通っている割に上手くならない話をよく聞きます。ラウンド数や練習量が足りないからか、勿論その側面もあるでしょう。しかしながら、型にはめた指導だとしたら、皆が同じ動きをできるわけもなく、生徒さんの感覚を失わせてしまい、本来動かすべきクラブの操作よりも、体の動きばかりに焦点が当たってしまうこともあるようです。結果的にうまくいかないということ。
「この動きがずっとできない」と悩む声は治療院内でもよくある話。
指導者から教えすぎないことに、いくつかのメリットがあるので
長年心掛けていた内容をコラムでまとめてみました。指導に熱が入るほど「あえて言わない」はそう簡単じゃない。
1. 情報過多の回避
ゴルフは技術的なスポーツであり、多くの要素が組み合わさってスイングを構成します。しかし、初心者や中級者にとって、一度に多くの情報を受け取ることは負担になることがあります。SNS然り、教え魔の上司然り、指導過剰なコーチ然り。教えすぎないことで、生徒が集中して理解しやすくなります。
2. 焦点の絞り込み
教えすぎると、生徒がどの部分に注力すべきかがわからなくなることがあります。代わりに、重要なポイントに焦点を絞ることで、生徒が進歩しやすくなります。重要な基本スキルに集中し、そこからの派生的な説明を最小限にすることができます。
3. 個々の適応
ゴルフのスイングは個々の体格や柔軟性、能力に応じて異なります。教えすぎないことで、生徒が自分の身体の動きに適応しやすくなります。一人一人の生徒に合わせたカスタマイズされたアドバイスや修正を提供することができます。
4. 自己発見と自己修正の促進
生徒に一部の情報を与え、それを自分で発見し、修正する機会を与えることで、長期的な成長が促進されます。自己発見によって得られた理解や経験は、より深い学びにつながることがあります。また、コーチは出来ることなら短い時間で改善へと導けたら理想かもしれない。
5. 練習の喜びを保つ
ゴルフは楽しいスポーツであるべきです。教えすぎないことで、生徒が練習やプレイを楽しんで続けられるようになります。あまりにも厳格なアプローチは、ストレスやフラストレーションを引き起こす可能性があります。勿論ショットに対して「怒る」などあり得ない。
トレーニング指導や、ゴルフレッスンでは、生徒のレベルや目標に応じて適切なバランスを見つけ、必要な情報とそれを効果的に伝える方法を選択することが重要といえます。