運動前のストレッチとは、一般に浸透した怪我予防の対策かと思いますが、以前ジュニアゴルファーのお父様から「ストレッチは不要と聞きました」と伺ったことがありました。大学教授のジュニア向けセミナーで発言されていたと聞きましたが、その内容を直接確認できないため申し訳ないのですが、少し心配なので有効である情報を掲載しておきたいと思います。ご興味あればご一読いただけたらと思います。
ストレッチングが怪我の予防に寄与するかどうかについては、多くの研究が行われています。ここでは、ストレッチングが怪我予防にどのように役立つかを示す研究論文をいくつか紹介します。
1. システマティックレビューとメタアナリシス
一つの研究では、異なるスポーツでの怪我予防としてのストレッチングの効果についてのシステマティックレビューとメタアナリシスが行われました。この研究では、特定のタイプのストレッチングが特定のタイプの怪我を防ぐ効果がある可能性が示されています。
参照論文
『British Journal of Sports Medicine』に掲載されたこの研究では、動的ストレッチングが特に有効であると報告されています。
上記のジュニアゴルファー父兄の話は、おそらく単なるストレッチ否定ではなく、動的ストレッチ>静的ストレッチの有効性を比較した話であることを期待しております。詳細は別の機会に投稿したいと思います。
2. ランダム化比較試験(RCT)
別のランダム化比較試験では、長期間にわたるストレッチングプログラムがアスリートの怪我のリスクをどの程度減少させるかが評価されました。結果として、定期的なストレッチングが怪我の発生率を低下させることが確認されました。
参照論文
『Journal of Athletic Training』に掲載されたこの研究では、特に下肢の怪我予防に効果があることが示されています。
3. 疫学的研究
スポーツ選手を対象とした疫学的研究では、試合やトレーニング前のストレッチングが怪我のリスクをどのように変化させるかが調査されました。この研究は、特にコンタクトスポーツにおいてストレッチングが重要であることを示唆しています。
参照論文
『American Journal of Sports Medicine』に掲載された研究で、適切なストレッチングが怪我の予防に寄与すると報告されています。
これらの研究は、ストレッチングが怪我の予防に有効である可能性を示しているものの、ストレッチングの種類、持続時間、頻度など、さまざまな要因が効果に影響を及ぼすことを示唆しています。したがって、各個人の活動やスポーツの種類に合わせた適切なストレッチングプログラムの選定が重要です。また、こうした情報発信の中で、単にストレッチと伝えるのではなく、ストレッチにも種類があること、またタイミングによる効果なども交えて発信していくことが大切であると思いました。次回は静的・動的についてコラムに上げてみたいと思います。