心待ちにしていた選手からの連絡を受け取った瞬間のことを思い出す。
接骨院の裏部屋でスマホの画面を見つめながら、その一報に心躍った。
LINEに、前週の優勝のやりとりを何度かしているところだった。
「ちょっと待ってください。通過しました」
とのメッセージがLINEに映し出されたのは、2021年のことだった。
トレーナーとして渡米する夢を抱いていたが、コロナ禍の影響で夢は大きく狂わされた。
当時は帰国後に自宅で何日も待機しなければならず、最終的には2週間以上職場を空けることが困難となり、私はTV画面越しに選手を応援することに決めた。
選手の健闘を祈りつつ。それでも、その経験は私の中で新たな決意を生んだ。「このフラッグを見るたびに、次は必ず」という強い誓いを胸に秘めて。
全米女子オープンの日本地区最終予選会が、房総カントリークラブの東コースと西コースで開催された。
長い距離を移動して、参加した選手たちにとっては、本当にハードなスケジュールだ。特に注目されたのは、尾関彩美悠プロの活躍で、彼女はトータル12アンダーで堂々の首位通過を果たした。
それに続く河本結プロ、藤田さいきプロ、そして台湾からのサイ・ペイインプロも本戦出場を確定させた。
しかし、最もドラマチックなのは、残りの1枠をかけたプレーオフだ。木村彩子プロとアマチュアの入谷響アマが日没順延となるほどの激戦を展開し、翌朝再開するという展開に。このシビアな戦いが、女子メジャーの厳しさを如実に示している。
フジサンケイレディースでの疲れを引きずりながら、選手たちはまたもやハードな戦いに挑む。毎年行われていることだが、全米オープンの切符を手にするため、体力と精神の限界を超えてプレーする。これほど厳しい条件の中での競技は、彼女たちの精神力の強さを証明するもの。
毎年この予選を見ていると、彼女たちの努力と献身に心から敬意を表したくなる。疲れ知らずの戦いを続ける彼女たちには、次なるステージでのさらなる飛躍を期待せずにはいられない。